名古屋アジア大会代表選考の大一番
明日、5月10日に行われる木南記念。男子10000mは、名古屋アジア大会代表選考の大一番です。
派遣設定記録は 27分31秒27。この記録を突破して優勝すれば、代表内定につながる重要なレースになります。
昨年末の八王子ロングディスタンスなどで好記録を出している選手は複数いますが、選考基準上は、今回の木南記念で派遣設定記録を切った上位の選手から選ばれることになります。つまり、単なる記録会ではなく、代表を決めにいく25周という位置付けです。
レース展開としては、トヨタ紡織のマル・イマニエル選手がペースを作ると見られます。そうなると、序盤から派遣設定記録を意識したペースで進む可能性が高いでしょう。
27分31秒27は、1kmあたり約2分45秒。5000m通過なら13分45秒台が目安。スローな駆け引きではなく、最初から代表選考らしい緊張感のあるレースになることを期待できます。
中心は日本記録保持者・鈴木芽吹
中心はやはり、鈴木芽吹選手(トヨタ自動車)です。
昨年は日本選手権優勝、東京世界陸上出場。11月の八王子ロングディスタンスでは、10000m 27分05秒92 の日本記録を樹立。現在の日本男子10000mを語るうえで、真っ先に名前が挙がる選手です。今回の木南記念でも、本命は鈴木選手と見ていいでしょう。
名実ともに日本のトップに立った一方で、今年はマークされる立場になります。それでも鈴木選手はGgoat公式noteで、今季のテーマを「勝ち切ること」とし、木南記念についても「勝ってアジア大会代表を決めたい」と語っています。
日本最速・日本最強として注目を集める中、代表選考レースで鈴木選手がどう勝ち切るかは注目の1つと言えるでしょう。
Ggoatとして4月にアルバカーキでの強化合宿を挟み、その流れの中で迎える今回の木南記念。同じGgoatでは、駒沢大学の落合晃選手が先日の静岡国際800mにて 1分43秒90 の日本新記録を出したばかりです。
800mと10000mでは種目がまるっきり異なりますが、それでも同じプロジェクトチームの中から日本記録が生まれた直後に、今度は10000m日本記録保持者の鈴木が代表選考に挑む。この流れには、何か期待を感じずにはいられません。
吉居大和、篠原倖太朗も有力
鈴木選手に続く有力選手として、吉居大和選手(トヨタ自動車)も外せません。
吉居選手は昨年の八王子ロングディスタンスで 27分21秒45 をマーク。日本歴代上位に入る記録を持つ選手です。4月の金栗記念5000mでは13分23秒92をマークして自己ベストを更新するなど、好調を維持しているといえるでしょう。
ペースが27分31秒前後で進むなら、前戦で5000mを挟んだことでスピードに余裕を感じられるであろう吉居選手にとっても勝負できる展開。ペースメーカーが外れた後、鈴木選手と吉居選手がどう動くかは大きなポイントになります。
そして、もう一人注目したいのが篠原倖太朗選手です。
篠原選手は富士通所属の社会人2年目で、鈴木選手と同じくエリートランナーが集まるGgoatPJの一員です。駒澤大学時代には5000mで 13分15秒70 をマークし、屋外の日本人学生最高記録を更新しました。10000mの自己記録は 27分35秒05 です。
派遣設定記録の27分31秒27までは、自己記録上ではあと数秒。しかしながら、今季は10000mで27分10秒台を目標としており、アルバカーキ合宿にてそのための準備を積んできたことが伺えます。
もちろん代表選考のレースは持ちタイムだけでは決まりませんが、篠原選手が争いに加われば、レースの見え方は一気に変わります。ここも大いに見どころとなるでしょう。
学生で唯一出場する藤田大智
学生長距離ファンにとっては、中央大学の藤田大智選手にも注目です。
今回の男子10000mで、藤田選手は学生として唯一エントリーしています。先月の金栗記念5000mでは 13分28秒93 の自己ベストを更新。状態の良さを示したうえで、今回は実業団トップ選手たちが並ぶ10000mに挑みます。
10000mの自己記録は27'40"50。今回のレースが派遣設定記録ペースで進むなら、厳しい展開になることも予想されます。このペースに藤田選手がどこまで対応できるのか。それでも、学生が日本トップクラスの実業団選手にどこまで食らいつけるのかという視点では、非常に楽しみであり、期待したい存在です。
見どころは、ペースメーカーが外れた後
今回の木南記念男子10000mで一番見たいのは、ペースメーカーが外れた後の勝負です。
序盤はマル・イマニエル選手が派遣設定記録ペースを作ると見られます。ただ、本当の勝負はその後。
- 鈴木芽吹選手が自分から前に出るのか
- 吉居大和選手が終盤勝負に持ち込むのか
- 篠原倖太朗選手が代表争いに食い込むのか
- 藤田大智選手が学生としてどこまで粘るのか
それとも、実業団の羽生選手(トヨタ紡織)、伊豫田選手(富士通)、西澤選手(富士通)、小林選手(SUBARU)、梅崎選手(大塚製薬)、鈴木勝彦選手(SUBARU)、松永選手(JR東日本)、亀田選手(旭化成)らが予想を上回る走りを見せるのか。
27分31秒27を切るペースで進むなら、当然ながら余裕のない選手から徐々に削られていくはずです。その中で、最後まで代表争いの集団に残るのは誰か。
明日の男子10000mは、代表選考らしい緊張感と、若い選手たちの挑戦が重なるレースになりそうです。
男子10000mは18時40分スタート予定。いざ、名古屋アジア大会へ!
